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気高く尊いタコの生涯

  • 執筆者の写真: kmcscuba1977
    kmcscuba1977
  • 7月14日
  • 読了時間: 2分

たまには真面目にブログを書きたいと思います


タコはその風貌からコミカルな生き物としてイメージされやすいが、実はとても気高く、そして尊い生き物です


タコの生涯を簡単に説明すると、タコは一生に一度しか交接しません

オスはその一度の交接が終わると力尽きて死んでしまいます


残されたメスはオスから託された卵から片時も離れず世話をします

その間メスは食事等を一切取らず、まさに命をとして卵を守り抜きます

やがて孵化が始まり、すべての赤ちゃんダコの旅立ちを見届けた後、母ダコは力尽きその生涯を終えます


先日サンセットビーチでのガイド中にタコの巣穴を発見しました

中を覗いてみると、母ダコが必死で孵化を促しておりました

卵はほぼ孵化を終えた後でしたが、母ダコはその動きをやめようとしませんでした

もしかするとまだ孵化を終えていない卵もあったかもしれませんが、母ダコの必死さに気圧され数カットだけ撮影してその場を後にしたのを覚えてます


後日調査ダイブで潜った際にふと気になり巣穴を再度覗いてみました


中には力尽きた母ダコと抜け殻となった卵の房が残っていました

体はボロボロになり溶け始めているようでした


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魚、エビ、カニ、貝などが体をついばんでいました
魚、エビ、カニ、貝などが体をついばんでいました

複雑な感情の中、撮影を始めるとふいに触腕が動いた気がしました

彼女の眼をみるとそれまでの暗く沈んだ瞳に、一瞬だけ蒼い色が宿りました


まだ生きてるのか?


そんな疑問を抱いたのも束の間、すぐにその瞳は黒に支配されていきました


「満足感」と「達成感」にみちた優しい眼をしていました
「満足感」と「達成感」にみちた優しい眼をしていました

僕自身子育ての真っ最中、彼女と眼があった瞬間に問いかけられたような気持ちになりました


以降は撮影をやめて、巣穴を隠すように近くにあった小石を無意識に積んでいました


なぜそんな意味のない行動をとってしまったのか?

それはたぶん僕が人間であるが故の行動、気高く尊い命に対する僕なりの敬意だったのかな


こんなことを書いてますが、普段の僕は動物に対してあまり感情移入せず、接し方も結構ドライなほうだと自覚してます


そんな僕ですが、こんな小さな生き物たちの生態行動には感情をブンブン振り回されてしまいます


だからかな?

限られた需要のなかでも生態メインのガイドをつづけてしまうのは


狙った生態行動がご覧いただけずに、ご迷惑をおかけすることもありますが、ご興味のあるかたはお気軽いリクエストくださいね!!


では今日はこの辺で


串本マリンセンター











 
 
 

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